花・11月1
竹   高台寺・京都   (11月1日)

  昔 貧しい夫婦がいた
  ある日黄金色に輝く竹を切ったところ
  中から可愛らしい少女が現れた
  少女は美しい娘に成長した

  大切に育てられたその娘に求婚する
  貴公子は多くいたが娘は耳を傾けなかった
  そして静かに日々を送って暮らしていた

  いつの頃からか娘は月を見ては物思いに
  沈むようになった

  日に日に満ちていく月を見ながら娘は言った
  「 もうすぐ私は月に帰らねばなりません 」 と
  そして満月の夜 月からの迎えが来て帰って行った

  作者不明の竹取物語は日本人の心を捉え
  その後も語り継がれて来た

  竹林を見るとなぜか「かぐや姫」の話を思い出す

   
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菊   有田   (11月8日)

  秋になるとかぐわしい香りを放つ菊花展が
  全国各地で開かれる 
  今年も愛好家たちが丹精込めて育てた菊を
  観賞する機会を逸した
  そんな私が有田に帰り みかん畑の片隅で
  咲いている小さな菊を見つけた
  素朴に けれどしっかり自分を誇示していた
  
  菊花は皇室の御紋である
  古くは後鳥羽上皇の頃からだが 16弁の
  菊を正式に皇室の御紋と定めたのは明治2年
  宮家は14弁の裏菊紋

  菊こそ日本の代表する花といえよう
パンパスグラス  長居植物園  (11月12日)

  アルゼンチンの草原に大群落をつくって自生する
  ヨシの一種だという
  生まれ故郷の大草原ののびやかな空気が
  漂ってくる
  高さは2〜3メートルもあり 壮快だ

  穂先いっぱいに墨を付け 青い空の半紙に
  一筆 今の想いを描いてみよう

  あなたなら何と描くでしょう?
  「夢」 「希望」 「未来」 「平和」 「愛」
  たくさんの素晴らしい言葉がある 
バラ   長居植物園   (11月16日)

  秋になって朝夕の気温が低くなる頃 バラは花の色が深まり
  もっとも美しくなる時期である
  
  平成8年 長居スタジアムのリニューアルと共に長居植物園のバラ園は
  ヨーロッパの庭園をイメージさせる花壇へと変身した
  噴水やフェンスなど志向を凝らした演出が 豪華なバラを一層引き立たせる
  
  スタジアムの歓声が聞こえる中 
  甘い香りを放ちながら 美しさを競い合うように咲いている

  
  
ツワブキ  長居植物園  (11月21日)

  花が少なくなった晩秋から冬にかけて
  ツワブキの黄色の花がひときわ目立ってくる
  そして雪の降る冬が到来しても健気に咲き続ける
  
  葉の形がフキに似ていることから 
  その名がつけられているが 全く別の属である
  けれどフキと同様に煮付けや佃煮にすることが
  出来る

  花言葉は 「 よみがえる愛 」
  そばにいるだけで元気がもらえそうな花だ
アメジストセージ  長居植物園  (11月28日)

  紫色でビロードのような光沢のある花を咲かせる
  アメジストは紫水晶のことで2月の誕生石でもある

  ミントのような香りがしてドライの葉は
  防虫効果がある

  葉をシチューや煮込みハンバーグにバジルや
  ローリエやローズマリーと一緒に入れると
  スペシャルに美味しい

  食いしん坊のグルメ話のようだが
  お庭でハーブを育てるのは実益を兼ねていて
  面白くまた楽しい