真白き雪 真白き心
永平寺
永平寺は1244年道元禅師によって創建され
日本の禅修行の最高峰として歴史を刻んできました

境内は三方を山に囲まれた深山幽谷の地です
樹齢680年といわれる老杉が立ち並び
荘厳な雰囲気に満ちています

そして今も200余名の雲水たち(修行僧)によって
750年前に定められた厳しい作法に従って
禅の修行が営まれているそうです



参道の両脇は積雪100センチメートルの雪で覆われていました
山深く何もありません あるのは雪と静けさだけです
禅の修業には何もいらないのですね
老杉の間に身を隠すように七堂伽藍が建ち並んでいます

あまりにも静寂すぎて雪の降る音が聴こえてきます
霧がたなびく音も 風がそよぐ音も聴こえてきます

無駄な心を捨てれば今まで聴こえなかった音が聴こえるのですね

雪の袈裟を着たような七堂伽藍を見ていると煩悩が消えてゆきます
真白き雪の中でやっと真白き心になれたような気がしました
再び伽藍に雪が降り始めました  
ここはもう雪舟の世界です
白と黒以外何もありません

人はたくさんの色を望み過ぎます
この世の中で本当に美しい絵画とは
墨絵のようなものかもしれません

純粋無垢な白と黒で描いたものが
永遠の美を保てるのかもしれません

雪の音が聴こえます
やっと雪と友達になれたような気がします

永平寺のバス停のすぐ横にこんな可愛らしい雪だるまが・・・・
誰が作ったか赤い前掛けをつけてもらって
笑っている子 はにかんでいる子 困っている子 さまざまです

雪だるまだとわかっているのに
私はなぜかここで帽子を取って長い間合掌しました

もうすぐ帰りのバスがバス停に到着します
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