神無月・1
     How are you?

お元気ですか?
そして今でも私はあなたの友達ですか?

忙しさにかまけて
ずいぶん長い間連絡を取っていない私の友

年の初めに頂く一枚の年賀状から
その人の近況を知る

ごめんなさい
ご無沙汰ばかりの私です

ホットコーヒーが美味しくなった季節
こんな秋の夜長には
ふと あなたにお便りしたくなる

お元気ですか?
そして今でも私はあなたの友達ですか?
(10月1日)
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       赤い羽根   

昨日 繁華街に出た。
いたるところに 「 赤い羽根 」 の共同募金の
人達が掛け声をかけながら立っていた。
小さな募金箱に100円玉を入れると
「 ありがとうございました 」 と言って
胸に赤い羽根をつけてくれた。
いつもは知らぬふりをして素通りしていた私。
けれど ふと足を止めて街角の善意にも 
目を向けられるようになった。
赤い羽根をつけて歩いていると、共同募金の
人達が何度も 「 ありがとうございました 」 と
声を掛けてくれた。
胸に赤い羽根。 優しい自分がいるようで
何だか少し嬉しかった。
100円で爽やかな気分を味わった一日だった。
(10月2日)
     午後のひととき

秋の一日を青空の見える
こんなオープンカフェで過ごしましょう

あなたはホットコーヒー
私はミルクティー

他愛もないおしゃべりをして
流れる雲を見ていましょう

時々触れる二人の未来
話をそらす照れ屋なあなた

ケラケラと笑う二人に
マスターが焼きたてのクッキーを運んでくれた

あなたと過ごす午後のひととき

(10月3日)
(10月4日)
     あなたを待つ

雨が激しく降ってきた
雷も遠くから聞こえてくる

連絡は途絶えたまま
視界はゼロ

私はこの場所でずっと待っている
今はただあなたの無事を祈るだけ

まもなく12時25分
まだ見えない

10分経過
やっと見えた ANA145便

あなたが私のもとに来た
    「初めまして! マドンナです」

一昨日 待っていた可愛いトリオがやって来た。
鶴丸JALのジャンボに乗ってやって来た。
この子たちが来るのを私は一日千秋の思いで
待っていた。
ミッフィーとキャプテンとCA。
この子たちはいっぱいの愛をおみやげに
私のもとにやってきた。
「初めまして! マドンナです」
そしてその日から私の大切な宝物になった。
(10月6日)
      友情の宅急便

昨日友人から宅急便が届いた。
みかん箱いっぱいに秋の味覚が入っていた。
添えられたお手紙にはご自分の農園で
趣味で作られた旨が書かれていて
ご笑納くださいませ・・と優しく結ばれていた。
さつまいもは大きくて立派で、枝豆は
青々としていて、栗は光沢があり輝いていた。
何よりも優しさを箱詰めしてくださったことが
嬉しかった。 
遠くにいる心温かい友の顔が浮かんだ。
友情に感謝したい。
(10月7日)
(10月9日)
          夕陽

あなたと見た夕陽があまりにも綺麗だったから
今夜はこんなカクテルを飲みたくなったよ

あの日の夕陽 少しずつ少しずつ沈んでいったね
ただ二人で黙って見ていたね

カメラに写すより 
私は心のレンズに収めたいと思ったよ

あなたの顔も私の顔も夕陽に染まっていったね

今夜はこのカクテルをずっと眺めていたい
グラスの向こうにあなたの顔が見える
         実りの秋

大阪市内の公園でこんな玉手箱みたいな場所を
見つけた。
玉手箱のふたをを開けた途端
私は過去にタイムスリップして
むかしむかしの有田にいるような錯覚をした。
子供の頃 秋にはこんなカカシがいたる所に
立てられていた。
もっと古びた着物など着ていたが・・・
懐かしくて稲穂のあぜ道に座り込んだ。
実りの秋をこんなところで感じられるなんて・・
ちょっと嬉しくもありウルウルときてしまった。
(10月10日)