万灯供養   (8月13日)

   お盆の行事として毎年行われる四天王寺の
  「盂蘭盆会(うらぼんえ)万灯供養」。
  日没とともに先祖の法名や俗名を記した
  約1万本のローソクに灯りが灯された。
  その中を般若心経を唱えながら僧侶が
  練り歩るき、万灯供養法要が執り行われた。
  訪れた参詣者たちは先祖の冥福を祈り
  揺らめく灯影に合掌する。
  無数のローソクに照らされた五重塔が
  幽玄なまでの美しさで夜空に浮かび上がる。
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          伝言

   青いお空をキャンバスにして
   白い絵の具で 「好き」 と描いた

   そしたらモコモコと雲になった
   風に吹かれて流れていった

   青いお空をキャンバスにして
   赤い絵の具で 「愛」 と描いた

   そしたら優しいハートになった
   風に吹かれて流れていった

   もしもあの人の街まで流れてゆくなら
   空に描いた私の気持ち伝えて
   きっと伝えて・・・ 
              マドンナ(8月15日)
   
葉月・ 2
大文字五山送り火   (8月17日)

   お盆の13日にお迎えしたご先祖さまの霊を
  再び冥府にお送りする送り火が16日
  京都・東山五山で行われた。
  ご先祖さまの帰り道を照らして
  霊を送り出すのが送り火。 
  そしてこの世に生きる人々の平穏無事を願い
  東山如意ヶ嶽から次々と点火された。
  夜空に大の文字がくっきりと浮かびあがり
  やがては静かに消えていく。
  厳粛で壮大な京都の夜だった。

   「おーい! 応答せよ 応答せよ
               こちらマドンナ」

   「今 ひまわり畑にいるよ」


   「ミツバチになりたいよ」


   「土手に寝転んだ」

   「綺麗すぎて
     一人で見るのはもったいないよ」

   「目を閉じても

     黄色いじゅうたん消えないよ」

   「あなたのひまわり持って帰るね」


                         

   


「どうしたの?」

「ふーん」

「バカだな」

「またまたおてんばさん」


「一緒だとよかったね」


「消さないで帰っておいで」

「早く帰っておいで」

     ひまわり  (8月18日)
ファミリー   (8月19日)

   ファミリーで水遊びが始まった。
  水の中に顔をつけたり、羽つくろいをしたり
  この場所でしばらくの間仲の良さを見せてくれた。
  お父さん、お母さん、そしてボク。
  一目でわかる水鳥だった。
  お父さんは遠くから見守って、お母さんは優しく
  心づかいして、ボクは無邪気だった。
  爽やかなファミリーが私の前を通り過ぎた。
かぐや姫御膳   (8月21日)

   今宵はあなたを精いっぱいの真心で
  おもてなしいたしましょう。
  心づくしのお料理を竹の器に入れました。
  夏の疲れもそろそろ出る頃ですね。
  あとしばらくは残暑も厳しくて
  でもまだまだ「がんばってね」の気持ちです。
  「お帰りなさい」 
  冷たいビールが冷えてます。
  今宵 私はかぐや姫。
  あなたの「美味しい」の一言が
  私を下界に留まらす。
  
  
夜間飛行   (8月23日)

   宝石を散りばめたような滑走路を見ながら
  彼女は考えていた。
  遠くにいる彼のことをずっと考えていた。
  そして今 離陸しようとしている飛行機に乗って
  彼に会いに行こうと決心をした。
  ここから飛び立つことは、「今」から逃げる
  ことなのだろうか? 
  それとも「今」を生きることなのだろうか?
  答えが出ないまま彼女は搭乗手続きをした。
  人生の岐路に立ち、ようやく決心をした。
  まもなく彼女の夜間飛行が始まる。
  
       リピート

眠れない夜あなたにメールする
「 眠れないの・・・ 」

リピートで返るメールはいつも同じ
「 二人で羊を数えよう 」

あなたの優しさ確かめたくて
もう一度 「 眠れないの・・・ 」

リピートのキャッチボール

「 眠れない・・・」  「 眠れない・・・」

携帯の中にリピートが重なってゆく
あなたと共有する時間が重なってゆく

リピートの数だけあなたの愛を感じる

             マドンナ (8月27日)
「 ママ! 25メートル泳げたよ! 」   (8月29日)

   夏休みの学校プールに行っていた
  小学生の息子が息を切らせて帰って来た。
  「ママ! 25メートル泳げたよ!」
  玄関の戸を開けるや否や、そう言って走ってきた。
  「よかったね! 偉かったね!」
  あらん限りの力を込めてギュッと抱きしめた。
  そしてホッペにキスをした。
  カメさん親子を見ていたらそんな遠い日を
  思い出した。 懐かしかった。
21時18分   (8月30日)

  新幹線のホームではいつもたくさんの
 ドラマがある。
 楽しい思い出を作り家路に急ぐ若者グループ。
 実家への帰省で手みやげいっぱいの家族連れ。
 仕事の成果をカバンに詰めたビジネスマン。
 そして切ない別れの恋人たち。
 彼が乗り込むまで手をつなぎ、別れのキス。
 発車のベルが鳴り響くと、彼女の目からは
 大粒の涙がこぼれ落ちた。
 距離の遠さはお互いにどうすることも出来ない。
 それが二人の気持ちをもっと結びつける。
 21時18分
 新大阪発東京行き、最終ののぞみ号