　　　　　　　　大阪の空

空を見上げたら真っ青な空が広がっていたよ
大阪で空が一番きれいに見えるのは秋

私は都会の空もまんざらでもないよと
一人嬉しくカメラを向けた

青い空と高層ビルが美しい調和を見せる
ここはふるさとじゃないから山や川はない

ふるさとで過ごした歳月より
ここで暮らす時間の方が長くなった

こんなきれいな空を見せてくれる大阪を
だんだん好きになってゆく
私の心が都会の空気に慣れてゆく
そしてその分次第にふるさとが遠くなる

　　　　　　　　ひょんたん君

子供たちから親しまれているプラネタリウム館の
オリジナルキャラクター「ひょんたん君」

小さな体でいつも宇宙の不思議に体当たり
「ひょんたん君」は子供たちの夢先案内人

みんなに愛されるキャラクターでいたいな
朗らかで思いやりがあって優しい心の持ち主
今の私には少しだけ欠けているものばかり

子供ってそんなのわかるのよね
ザラザラした心を肌で感じるのよね
大人よりはるかに敏感なのかもしれない

襟を正して生きようと思う

　　　　　　　　　バスストップ

「お寝坊したわ　少し遅れる」
「うん　わかった」
「１２時にはバスストップに着くわ　待っていて」
「うん　わかった」

そんなメールを送ると　「うん　わかった」とあなた
いつも私を許してくれて　いつも私を待っててくれて
風船のように飛んでいきそうな心を
しっかりとつかまえてくれるのはあなた

ここは私たちのバスストップ
これから楽しいデートが始まる

　　　　　　　　空の記念日

たくさんの記念日にひとつひとつ名前をつけて
あなたとの大切な思い出を私の心のアルバムへ

何年経っても何十年経っても
決してセピア色になることはない
永遠にあの時の色のままここに存在する

「陸の記念日」「星の記念日」「海の記念日」
みんなみんな大切なヒトコマ

そしてここが忘れられない私たちの「空の記念日」

　　　　　　ロミオの灯り

秋の夜長は一人では寂しくて人恋しくて
チャット遊びをしてみたり・・・
そこで出逢ったロミオという男
投げやりで冷めていて刹那的

「私の心に灯りを点して」と言った
「男の誘い方は零点に近い」と言った

始まりはそんな会話から

あなたはロミオ　私はジュリエット
今夜もチャットルームで遊ぶ

「ここを開いてごらん」

開いた部屋はロミオの灯り
私のために点してくれたロミオの灯り

　　　　　　　　奏でる

私　おばあちゃんの好きな曲を弾くわ
ねぇ・・・おばあちゃんはどんなお歌が好き？

おばあちゃんの一番好きな曲は
「夕焼け小やけ」かな？

おばあちゃんはどうして「夕焼け小焼け」が好きなの？

それはあなたの母さんが大好きな曲だったんだ

私もなぜか目を瞑ると
「夕焼け小焼け」のメロディーが流れる

弾いておくれ　三世代を繋ぐ「心の曲」を

　　　　　　　空にサンタが

野原に寝ころんで空を眺めていたよ
そしたら子供の頃うちで飼っていた
プードルのサンタが風に吹かれて現れた

１２月の寒い朝
父さんがコートのポッケに入れて連れて来た
私はサンタクロースへの手紙に「犬がほしい」と書いた
父さんは「今サンタクロースからもらって来た」と言った

その時私はこの世に
サンタクロースがいないことを知っていたけれど
知らないふりをして喜んだ
そしてそのプードルに「サンタ」と名前をつけた

サンタが空に現れて私は焦ったよ
空にいる父さんが
ポッケからサンタを出してくれたのだと思ったよ

　　　　　　　　　　笑顔

ベランダの花たちに水をやる時
たいてい「ごめんごめん」と言いながらやる
声に出さなくても心では必ず何か言葉をかける
私の気まぐれで水遣りが遅れたことを詫びる

花たちが一瞬「笑う」時がある
水をやった数分後に必ず花たちが笑う
この時が一番きれいな色に輝く

人間と花が心を通わせた瞬間だ
気持ちは必ず花に届く
私はいつもそう信じてベランダに立つ

　　　　　この星の家族

あなたの横に私がいて
アヤちゃんもサッちゃんもいて
あなたの後ろには
ユキちゃんとタカシ君とアキヒコ君がいる

だからそんな哀しい顔しないで
みんなあなたの味方だよ

あなたが困った時
みんながあなたを助けてくれる
私たちはこの星で生まれた家族なんだ

　　　　　　　　　大阪の秋

残暑厳しかった大阪に本格的な秋が訪れる
昨日「御堂筋パレード」が行われた
これが終わると大阪の秋はグッと深まる

大阪で好きなところはたくさんある
都会でもふとしたところでオアシスを見つけるものだ

無関心な人間関係　車・車・車　ビルの谷間
押しつぶされそうな乾いた空気の中でも
四季の移り変わりをはっきりと誇張する

大阪が最も美しく着飾る季節は秋
淀屋橋から難波までの御堂筋沿いに
四列に植えられた銀杏並木が黄色くなる

私が最も秋を感じる場所でもある