February.1
BGM・鳥に乗って
  Herr Geige
大阪・南港  (2月1日)
       冬の色


水彩画で「冬の街」を描く時
たくさんの色はいらない
少しのブルーと白と黒があればいい
ブルーと白で空を描いて
黒で濃淡を表現すれば「冬の街」が描ける

私も表現する色は三色あればいい
喜びの色と哀しみの色と慈愛の色

余計なものは全部棄てて
これからはこの三色で描きたい
さまざまな想いを絵筆に託せば描けるはず
私の人生の絵画はきっと描けるはず
海の見える喫茶店にて  (2月2日)
            炎


燃える暖炉の炎を見て 君は何を想う
次々とまき木が継ぎ足され炎を消さないように
私は消えてしまうのが怖くて一晩中そばにいた

「ハウルの動く城」では
カルシファーという炎の存在が好きだった
ハウルの動く城の住人の心を
ひとつに繋ぐ架け橋だったかもしれない

私の心の炎は永遠ではないけれど
きっとこれからも静かに燃え続けるだろう
それにはあなたのまき木を私に与えてほしい
(2月3日)
          節分


「福は〜内 鬼は〜外」「福は〜内 鬼は〜外」
今夜は鬼退治をしよう
あなたと私の心に住む鬼退治をしよう

今年も恵方の方角を向いて太巻きの丸かぶり
イワシの頭にヒイラギを刺して玄関の戸口に
そして年の数だけ豆を食べて
それが済んだら家族で愉快に豆まきだ

毎年変わらぬ節分風景
今年も無事年越しが出来た 明日は立春だ
桜草  (2月4日)
         立春


秋に植えた桜草を寒気が来た月曜日に
部屋の中に疎開させた
三日間の室内での生活でイッキに開花した
昨日外に出してたっぷりの水を与えたら
少し寒そうだったがイキイキしていた

まだ寒い また寒さは戻って来ると言う
春は名のみかもしれない
けれど確実に春の足音が近づいている
あなたの・・・私の・・・待っていた春が来る

愛しい桜草よ
私の母がこの世で一番好きな春告花
ヒルトンプラザ・ウエスト  (2月5日)
      ここにいる


私 ここにいるよ
ここでこんなに輝いているよ
あなたにはそんな私が見えないの?

お願い 心の曇りガラスを拭いて
にせものになど心を奪われないで

本物の私はここにいる
コピーでもドールでもない生身の私
あなただけを一途に想って私はここにいるよ

あなたが大勢の中から私を見つけてくれるまで
私は身じろぎもせずここにいるよ
JR 京都駅  (2月6日)
       明日は晴れ


西の空が夕やけ色に染まり始めた
楽しい一日が終わり家路へと急ぐ

人生には今日という日は二度と訪れない
一日一日がかけがえのない毎日だ

今日のあなたとの一期一会を大切に
また明日も元気で踏み出そう

根付の鈴を振ってみた
透明な音が夕やけ色の空にこだまする
明日はきっと晴れる
           架け橋


壊れた友情にはもう一度橋が架かるだろうか
もしもこのまま繋がらないとしたら
それは私の大きな損失

わかっていながらどうすることも出来ない心模様
私は愚か者よとなじってみる

出会わなければ苦しまずにすんだかもしれない
けれど出会わなければ今の私はない
たくさんのことを教えてくれた
たくさんのことを共有した

この大海にだって橋は架かったのに
私たちには永遠に橋が架からないのだろうか
スカイゲートブリッジR  (2月7日)
神戸・元町  (2月8日)
        神戸ストーリー


港町が好きだ
神戸の港には哀愁がある
震災がエキゾチックな神戸の姿を変えた

海鳴りは嗚咽に聞こえ 
潮風は淋しさを一層つのらせる
街は哀しみを見せまいと華やかに装う

喜びも哀しみも切なさも虚しさも
すべてを知っている神戸

神戸は生きている
そして今夜もトクトクトクと脈打っている
                
(2月9日)
         魔法の飴


体調が悪い母さんにまずひとつ
もっと元気でいてほしいダーリンにひとつ
頭痛がすると言う娘にひとつ
胃がキリキリ痛むと言う息子にひとつ
私にはいつも笑顔でいられるようにとひとつ

最後のひとつはあなたの飴
風邪を引いたあなたが早く元気になりますように

魔法の飴は
きっと邪気をはらって幸せにしてくれる
それぞれの手のひらにそっと載せてあげよう
和歌山県・有田  (2月10日)
           望郷


実家に置いた私の自転車今頃どうしてるかなぁ
私が来るのを待ってくれているかなぁ

真っ赤な自転車に乗って
山や川や池の畔をサイクリングしたね
秋には喉が渇けば畑のみかんを失敬したよ
いっぱいあるから
そんな私でも「泥棒」と言われないのがいいよね

小学校や中学校の
母校の校庭に入るのが好きだった
君が私の行動範囲を広げてくれた

待っていて
春にはきっと君と一緒にサイクリングするから
あの広いれんげ畑が私を待っているから