花・10月 1
萩・西光寺(有田)   (10月1日)

  秋の七草として万葉の歌人・山上憶良が
  その筆頭に挙げたのが萩の花。
  万葉集の中で萩を詠んだ歌は141首あり
  花の中では最も多い。
  古来から日本人に愛され続けた花といえよう。
  草かんむりに秋と書いて 「 萩 」
  まさしく秋の花である。
  十五夜の夜にススキと萩を おだんごと一緒に
  縁側に置いてお供えして月を愛でた。
  ふたつの花は秋風に揺れながら
  互いの美しさを引き立てあった。
  花言葉は 「 想い 」
 
    「 名月も ススキと萩に 魅せられて 」
                        マドンナ 
  
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ヒメジョン・東住吉区  (10月5日)

  今日は優しい花をアップしてみたかった。
  野に咲く花の中でも特に私の好きな花。
  ひっそりと咲いているだけに、それがかえって
  私の心を引きつける。
  一日家でいたい日曜日もある。
  例えば楽しかった前日であったとして
  今日また出かければその前日が
  更新されるような気持ちで家にいたいと思う。
  ミルクティーとお気に入りの写真と思い出と
  優しい花。
  それだけでも退屈しないで過ごせる秋の一日。
  
金木犀・有田   (10月8日)

  「マドンナさん!」
  今朝 誰かに名前を呼ばれたような気がして
  振り返った。
  そこに立っていたのは金木犀。
  「今年も来てくれたんだ!」 そう言って
  高い枝に手を伸ばしたら、灯り色した星の砂が
  私の肩にハラハラとこぼれ落ちた。
  目を閉じていても・・・
  あなたの訪問がわかるはずなのに
  私 少し忙しくしてたのね。
  今 あなたに気づいたよ。 今年も忘れずに
  私のところに来てくれたんだね。
  
ススキ・曽爾高原   (10月12日)

   ここは一面のススキの原。 
   なだらかに描いた山の稜線に、穂を出したススキが群生している。 
   ススキは背丈ほどに育っていて、迷い込めばまるで迷路のようだ。
   風が吹けば銀色のさざ波を寄せては返し寄せては返し
   風の通り道がひと目でわかる。
   日中は銀色の波となってうねり、夕陽を浴びると金色の波となって
   天に反射するかのようにキラキラと輝き始める。
   大自然が創り出したススキ野の幽玄に、足を止めてたたずむばかり。
コスモス・般若寺   (10月18日)

   秋色に着替えて、コトコト電車に揺られて般若寺まで来た。
   奈良の古刹、般若寺は花の寺で知られるが
   とりわけコスモスの咲く寺として名高い。
   「 秋桜 」 という名前までつけられた程、日本の風土によく似合い
   日本人の心に添う秋の花は他にはないだろう。
   小さなコスモスと石仏がつくる情景はけなげで愛らしく、心が和む。
   秋風にそよぐ様子を万葉人なら何と歌うのだろう。
   紅葉の賑わいを前にした静かな秋のひとときであった。
コムラサキ・鶴見緑地公園   (10月30日)

   花が少なくなっていく中で、実を結んだものを
   見つけると本当に嬉しくなる。
   紫式部より少し小さめのため、このような名前が
   つけられた。 別名小式部ともいう。
   秋・・・ 
   雑木林の縁に、黄ばみ始めた木々の葉の間に
   鮮やかな紫の小粒を並べてのせた小枝を
   見つけた時、私はまるでアメジストのファミリーに
   出会ったような気がした。
   そしてそのファミリーは太陽に照らされて
   キラキラ輝いていた。